●過去の企画展    
幸村真佐男 glitch展
−ノイズと具象のはざまに−
2013.10.22 - 11.3
村真佐男の70歳中京大学退官を期に催された「大幸村展プロジェクト」は、まず3会場で「LIFE LOG 行雲流水」(N-mark)、「プラトンの洞窟をぶら下げて」(rhythm.warp)、「People Gazing」(名古屋大学clas)をそれぞれリレー開催し盛況に閉じました。最終貢の当廊では、連写した画像がコンピューターで無作為(一部作為)に破壊された写真データを‘glitch写真’として再現し、特にB0ノビサイズでカラー出力した作品は、その迫力に観る人を驚かせました。

 作家が日常撮り続けた数十万枚の画像のほんの一部がglitchという現象で現れるのは、どこかリアリティがあります。 作家と同年代と思しきある男性が、「年代記的青山珈琲」とタイトルした写真に目をとめられ、歴史のありそうな喫茶店のウインドウに書かれたオー・ヘンリーの「最後の一葉」の文章を発見されました。そこで話が弾み、古典文学と現代のコンピューターアートが融合した瞬間に立ち会ったとても楽しい時間でした。偶然に撮影されたものでしょうが、同じ芸術家としての真理を追求する魂の成せる技でしょうか。
個展が終了し、ギャラリーは元の白い空間に戻りました。
しかし今なお「達観した仙人」「天真爛漫な髭もじゃの少年」
と慕われる幸村の姿とともに残像が存在し、問い続けているようです。


Gallery noivoi
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