●過去の企画展    
鳥谷浩裕展
−アオニフレル−
2013.7.16 - 7.28
い画面に極細ペンで描かれた黒い線図は、
空に浮かぶ雲に見えたり、宇宙空間から見た地球の海岸線に見えたり、
海のかなたに浮かぶ島影に見えたりする。
作品に近づいてよく見ると、一本一本の小さな線は短く、それらは繋がっていない。
しかし、少し離れて眺めれば集合体としてある形を創り出している不思議な作品である。
それを作家は
「日々感じる取る些細な事の積み重ねを色にしてカタチにする。 言葉は心ほど饒舌ではなく、 この不思議な感覚は他人の中にもあることを作品を通して確かめたい。 作品を難しく考えないで欲しい。 僕にとっては普段の日記の延長に過ぎない。」と語る。

過去も未来も時間の中では連続しているが、
昨日と今日、今日と明日では明らかに区切りがある。
同様に普段の生活における社会と自分、自分と他人の間にも区切りがあるように、
一本(ひとつ)の黒い線は、時間や存在の境界線のように見えないか?
それとも時間や存在の痕跡であろうか?
今しばらく思索を楽しむことにした。

追伸

あるベテランの作家さんが、「とてもシンプルな画面だが、
強い個性を感じる」と評価されていたことが、印象的でした。


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